デヴィット・フィンチャーは、アメリカコロラド州デンバー出身の映画監督。
18歳で8mmカメラを用いて映画製作を始め、1986年にビデオ製作会社を設立し、大手企業のCMを多く手掛け一躍トップ・ディレクターになる。
1992年には「エイリアン3」で映画監督デビュー。
1995年の「セブン」「ファイト・クラブ」の成功により、一躍ヒットメーカーとして注目される監督となる。
デヴィット・フィンチャーのキャリアと作風
監督デビューの「エイリアン3」は、今でこそ持ち味となっている独特の暗さが裏目に出てしまい、評価はあまり得られませんでした。
この映画は、企画段階からトラブルが絶えず、公開後も評論家達からも大酷評で興行的にも大惨敗!
フィンチャー監督のデビュー作「エイリアン3」は黒歴史となった・・
しかし、第二作目の「セブン」が大ヒット!
この映画は4週連続で全米興行成績1位を記録。
続く「ファイト・クラブ」も、屈指の名作サスペンスとして注目されました。
フィンチャー作品は、色調が暗く隅々まで緻密でダークな設計がなされ、且つ挑戦的で過激な作品を生み出し続けている。
常に光と影のコントラストが強調された映像は、CM制作時代に培ったものといえます。
撮影は、カメラを役者から離れた場所に置いて撮影するロングショットを得意とし、遠くから見ている傍観者の感覚を刻み込んでいます。
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』で、アカデミー賞13部門にノミネート!
名実共にアメリカを代表する監督になった。
私的にランキング!「デヴィッド・フィンチャー」監督のおすすめ作品
【第3位】スウェーデン発ミステリー!「ドラゴン・タトゥーの女」
出典:https://natalie.mu/
撮影裏話
ジャーナリストと天才ハッカーの女が、美少女失踪の謎と連続猟奇殺人の関係を追う姿をスリリングに描き、恐ろしくも魅力的な独特の視線で仕上げている。
原作に従い、撮影は極寒のスウェーデンでロケーション。
劇中ジャーナリストがカフェでタバコを買いタバコを吸い始めるが・・
実はスウェーデンでは、室内での喫煙は禁止されているのです!
勿論カフェでタバコも買えないし、撮影中たくさんの地元民が首をかしげたみたい・・
ハッカーの女役では、ボディーピアスをあっちこっちに付けているが、女優さんは役のために身体のあちこちに、ピアスの穴を合計7個所も開けた!
痛そ~
舞台となる森の周辺には独特の建築物が点在するが、いずれも昔の金持ちが猟をするために建てたマナーハウスで、その豪邸の多くが今ではロッジとして使用されている。
【第2位】数奇な人生を送る一人の男!「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
出典:http://cg.follow-w.net/
撮影裏話
80歳の状態で生まれ、年を取るごとに若返る人生を与えられた男の一生を描く。
フィンチャー監督と主演のブラッド・ピットの二人にとっては『セブン』『ファイト・クラブ』に続くコンビ作品となった。
この映画、特殊効果が凄すぎる!
ブラッド・ピットは、老人から青年までの60年間を演じるが、その容姿は特殊メイクとCGで完璧に作られています。
シワの寄り方、皮膚のたるみ方など特殊メイクによる「加齢」が実にリアル。
特撮は、CGデータとなる塗料をブラピの顔に塗って全ての表情をデータ化し、それを各年齢に合わせ、演技した別の俳優の頭部に合成させ、あたかもブラピが年取って動いてるように見えるという技術を使いました。
この特殊効果には、仕上がりまで3年も費やしており、通常の映画より2倍の時間とスタッフをかけている。
【第1位】猟奇殺人を追う二人の刑事!「セブン」
出典:http://www.cinemawith-alc.com/
撮影裏話
キリスト教の「七つの大罪」をモチーフにした連続猟奇殺人事件と、その事件を追う刑事たちの姿を描いたサイコ・サスペンス。
ラストの衝撃は実に後味が悪い!
この映画では、銀残しという現像の手法を使いコントラストの強い映像となっている。
オープニングロールは、とにかくスタイリッシュ!
色んな紙切れが出てくるが、映画を見た後にもう一度見てみると意味が良くわかる。
殺人鬼を演じた、あの俳優さんの名前はオープニングロールに出ていない!
殺人鬼の役が決まった俳優は、決して公開前には名前を出さないよう念を押したようだが宣伝担当のクリエーターが誤ってケビン・スペイシーの名前を出したが為に、本人は激怒!!
ケビンの名前は、映画が終わったエンドロールの最初に出てきます。
そして、このロール!
何と、逆方向に進むのです。
エンディングまでフィンチャーの作家性が出ていた!
気を付けろ!「デヴィッド・フィンチャー」監督のおすすめでない作品
監督デビュー作にして不評価映画!「エイリアン3」
エイリアンとの戦いと恐怖を描いたエイリアン1・2は大ヒット!
3作目に期待!
しかしこの映画、映像のこだわり感はあったが、
とにかく暗い、
ストーリー単調、
ラストも微妙・・
今までのシリーズにあった興奮や恐怖感もなく、面白味に欠けるエイリアン第3作目となった!
興行失敗も理解できる・・
不思議なのは、よくこれで出世作となる「セブン」を作らせてもらえたな・・と思う?
最後に
デヴィッド・フィンチャーは、その独特の演出により「映像作家」とも呼ばれています!
これからも「特異」な映像センスで、挑戦的な作品を生み出していく事でしょう。