ヒーロー役を演じた、かつての俳優は悪役として再起をかけた結果、成功するという法則があります。

日本で例えれば、ウルトラマンを演じた黒部進さんが日本のドラマや時代劇で悪役として成功を収めてるようなものですね。

ハリウッドでもこれは割と良くあり、前回投稿したマーク・ハミルが良い代表例にあたるでしょう。

今回ご紹介する俳優も見事に悪役に転向した事でキャリアを蘇らせた人をご紹介します。

彼の名前はマイケル・キートン、一目で見たら二度と忘れない顔をしております。

俳優の紹介

1951年生まれで現在66歳です。(若い!)

7人兄弟の末っ子として生まれたキートン。
意外な事に父親は測量技師でなんと、ありがちな上流階級の生まれではないのです。

元々はコメディアンだったマイケル・キートンは、そのまま地元のテレビ局に就職しカメラマンとして活動します。

その後、ロサンゼルスに渡りADとして活動して、全国放送のバラエティ番組などに出演し、ジェームズ・ベルーシらと共に名前を売っていきます。

その後、ロン・ハワードによる「ラブ IN ニューヨーク」にて映画デビュー。
その後も「ガンホー」でバブル経済当時の日米経済摩擦を揶揄したコメディ映画に主人公として出演します。(ちなみに、この映画は変な日本描写が出てきます)

さらに1988年にファミリー向けのホラーコメディ映画である「ビートルジュース」で奇妙な幽霊を演じ映画も大ヒット。

その時にティム・バートンと組み1989年に「バットマン」にてバットマンとして出演して、これが大ヒット。
一躍スターダムに乗っていきます。

しかし、キートンは役のイメージの固定化を防ぐために
「パシフィックハイツ」ではカップルに執念的に迫る狂気の下宿人を演じ、
「絶体絶命」では狡猾な死刑囚を演じて、悪役も出来るという所を見せつけます。

ところが、そういった彼の努力も報われず、00年代に入ると一気に仕事が無くなり、テレビやB級映画などに出演する事で食い繋いでいきます。

やはり他の俳優がそうだったようにヒーロー役をやるとそのイメージから逃れられなくなります。

しかし、なんと意外な形で彼は見事にハリウッドの第一線に戻ってきました。

それがなんと「バードマン」という映画で彼が演じた役は、なんとビックリする事に、かつてのアメコミ映画で活躍した大物俳優という設定だったのです。

これがきっかけでアカデミー賞主演男優賞を中心とした、さまざまな賞を獲得したマイケル・キートン。

見事にハリウッドへの第一線に復活を果たします。

さらにマクドナルドの創業者から見事に経営権を奪い取った、とんでもない男の社会的成功を描いた「ファウンダー」では冷酷なビジネスマンを演じます。

そして、今年、MARVELの最新作「スパイダーマン:ホームカミング」では悪役ヴァルチャーを演じました。

さらに実写版が製作されるディズニーの名作アニメ「ダンボ」の実写版で悪徳サーカスの団長を演じる予定です。

やはり、人生は終わり方は一つではない。

たいした男です。

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代表作

彼の代表作は「バットマン」になるでしょう。

以前、ベン・アフレックの記事で「今までのバットマンの中でベン・アフレックが最高」と書きましたが・・・
にじみ出るカリスマ性ではマイケル・キートンには敵わないでしょう。

しかし、彼がバットマンになる当初はコメディアンとしてのイメージが強かったマイケル・キートンの起用には不評が多く、多くのファンから、あいついで抗議やクレームを受ける事になります。

ところがドッコイ、ふたを開ければ、あら不思議な事に闇の騎士がそこにいました。

ギラギラした目つき(本当に闇の中で浮かぶような目をしているのが印象的です)で悪党を狩っていく彼のバットマンは、尋常ではなく恐ろしく、そしてカッコ良かったのです。

うるさいコミックファンも彼のバットマンを高く評価し、映画も大ヒット。
こうして新しいダークナイト神話が始まったのです。

彼の演技のみならず、映画全体もセリフよりも映像や人の動きや表情が中心だったのも印象的です。

やはりクリストファー・ノーラン版も「バットマンvsスーパーマン」も多くを語り過ぎですね。
バットマンはあまり喋らない方がカッコ良いです。

考えればクリスチャン・ベールのバットマンも、いまいち頼りなく、それが魅力でしたが、それじゃ物足りない。

やはりマイケル・キートンの漂う求道者的なストイックさが一番いいでしょう。

ヒロインが
「なぜ、こんな事をするの?」
と聞くと
「他に誰も、する奴がいないから」
と答えます。

バットマンには財力という最大の武器があり、その気になれば犯罪組織など壊滅できるのですね。

マイケル・キートンならこれを観ろ!おすすめ映画ベスト3!

1位:スパイダーマン:ホームカミング

スパイダーマン:ホームカミング (字幕版)

ソニーとMARVELが合作をする事で話が落ち着いたスパイダーマンの新作です。

この映画で、なんと彼が演じたのはスパイダーマンの敵になるヴァルチャーでした。

バットマンのDCコミックとスパイダーマンのMARVELはライバル同士で、滅多な事では、あまり共演はしません。

日本で言えば仮面ライダーの藤岡弘さんが、ウルトラマンの悪役として出て来るような物でファンの多くは、かなり注目をしていました。

しかし、DCと比較して人気のある大物ヴィランのいないMARVEL。

決まって、MARVELの映画は悪役を乱雑に描くことが多く、オザナリになるのですが(この点は近年のDCの方が、かなり酷いです)、この映画に出て来るヴァルチャーは血の気が通ったホンモノの悪役でした。

内容はアイアンマンことトニー・スタークに雇われて、バイトとしてアベンジャーズ活動にいそしむスパイダーマンが、NYを騒がす謎の大泥棒ヴァルチャーに挑むという内容です。

ヴァルチャーの正体は、かなり意外な形でスパイダーマンと関わっているのですが、そこは見てのお楽しみ。

ヴァルチャーはそれまで、宇宙人によって破壊されたNYの復興作業を担ってた土建屋だったのですが、なんとスタークはその権利を政府に売ってしまいました。

仕事を失ったヴァルチャーたちは宇宙人の武器を改造し自分たちが使えるように扱い、それを売買して生計を立てていたのです。(やっぱりスタークはどうしようもない奴です・・・)

家族とかわいい部下たちのために逃げられないヴァルチャー、責任ある男の生きざまがそこにあります。
って、この映画はかなりスパイダーマンの活躍が、オザナリになっていますね。

それもそのハズ、スパイダーマンの青春ライフなど、どうでも良いのです(笑い)。

それよりもヴァルチャーたちの犯罪生活とかの方がかなり面白いです。
っていうか、ほぼ彼が主人公と言ってもおかしくないですね。

スパイダーマン映画の悪役はどれも酷い死に方をするのですが、彼は生き残ります。

意外な形でスパイダーマンの正体を知り、そしてラスト近く刑務所に収監された刑務所で
「スパイダーマンの正体を知っているだろ?」
と悪党仲間に話しかけられますが、彼は正体を明かさないのです。

ああ、なんてカッコ良いんでしょう。

2位:バットマン・リターンズ

バットマン リターンズ (字幕版)

先に上げた代表作のティム・バートン版「バットマン」シリーズの中でも一番好きなのが本作です。

というか、これ以降の「バットマン・フォーエヴァー」や「バットマン&ロビン」が酷過ぎるだけで、もはや面白いのはこれしかありませんが(クリストファー・ノーラン版三部作とは別です)

「バットマン」にてジョーカーを倒した後のゴッサムシティではトライアングルギャングと言われる犯罪組織が幅を利かせていました。

その黒幕は醜く太った奇形の怪人ペンギン。
そして謎のキャットウーマン、
彼らと奇妙な点と線で重なる悪の大富豪マックス・シュレック。

彼らに対抗するためバットマンが立ち上がります。

実はこの映画、日本ではカルト的な人気があり、これをベスト映画に挙げる人間はかなり多かったりします。

しかし、それもそのはず、ここに出てくるバットマンはかなりカッコ良いです。

悪党にだって事情がある。
という事が本作では描かれますが、そんな事バットマンには知った事ではありません。

街を破壊し人々を虐殺するペンギン、
窃盗を重ねるキャットウーマンは等しく彼のターゲットなのです。

また印象的なシーンも多くあります。

トライアングルギャング団が街で暴れ狂う中、屋敷の中で一人たたずむバットマンにバットシグナルが灯り、戦いに向かって行く。
というシーンがもうたまらんのです。

今のクリスマスシーズンには持って来いの映画です。

ダークナイトやアニメ版など今までバットマン映画は多くありましたが、無茶苦茶ストイックでカッコ良いのはこれが一番でしょう。

マイケル・キートンのストイックなバットマンは本当にたまらないです。

バットマン (字幕版)

3位:絶対×絶命

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マイケル・キートンとアンディ・ガルシアの共演で話題になったサスペンス映画です。

アンディ・ガルシア扮する刑事は白血病の息子がおり、このドナーとして適合するのは終身刑になった凶悪犯。

この凶悪犯をマイケル・キートンが演じます。

もうこの時点で不穏なのですが(笑)、最初は手術にあまり従わなかったのに、ある日突然ドナーになる事を決意したと明かします。

そして手術に向かった病院で彼は脱走を行います。

刑事はあの手この手で凶悪犯を追い込みますが、毎回毎回一歩先を行っている凶悪犯に手も足も出ない刑事、おまけにウッカリ殺したり傷つけて死んでしまえば息子も死んでしまいます。

さらに運が悪いことに息子が人質になってしまいます。

イヤー考えるだけで恐ろしい。
マイケル・キートンの死刑囚と一緒に居なきゃいけないなんて、考えるだけでゾッとします。

しかし、確かに悪人なのですが意外にも死刑囚は、本気で白血病の刑事の息子を気にかけていたりします。

おそらく知らんガキなんて途中で殺してしまえば、そのほうが楽なのに、もしかして根はいい奴なのかも。

先に語った「スパイダーマン:ホームカミング」のようなある種、大人の良い部分を持った悪役なのですね。

いやーカッコ良い。
悪党であっても意外と良い部分はあったりする。
そんな役がマイケル・キートンには、かなりはまってます。

また映画自体も101分ぐらいなので寝る前に見るには、丁度良い映画と言えるでしょう。

彼の行く先がどうなるのか、それはご自分の目で確認してください。

マイケル・キートンでもこれは観るな!ワースト作品

ロボコップ(2014年)

ロボコップ (字幕版)

80年代に活躍した伝説のSF映画「ロボコップ」のリメイク版です。

ただし、かなり酷い大コケをしました。

それもそのはず、肝心のロボコップは黒くカッコ悪く、印象的だった悪役の数々も味気無く、アクションシーンも何処かで見たような内容のものばかり。

ポール・バーホーベンの演出はやはり素晴らしかったのだな。
ともう一度思い直す内容です。

この映画は脇役が豪華で、
ポッと出のTVキャスターにサミュエル・L・ジャクソン
オムニ社の技術者にゲイリー・オールドマン
そして悪役の大富豪にマイケル・キートン
を使っています。

ところが、あんまりキートン扮する悪の大富豪は目立っていません。
出番も実質5分ぐらいか、そのレベルだったりします。

倒され方も前作の悪役たちに比べれば味気なく、死に方も「いつ死んだの?」となります。

マイケル・キートンは過去に「アイアンマン2のような続編ありきのハリウッドのやり方はロクでもない」と言いますが、本人がロクでもないリメイク映画に出てしまった。
という事はある種の皮肉なのかもしれません。

とはいえ彼の出ている映画で、つまらない物は本作品ぐらいしか無かったりします。

まとめ

マイケル・キートン、いやぁ素晴らしいですね。

悪役も正義のヒーローも演じる、その演技力の高さ、近年の彼は目覚ましい活躍をしていて本当に嬉しいです。

晩年を汚したりもしていないあたり、俳優としてはかなり素晴らしいのではないでしょうか。

いつか、彼のバットマンをもう一度見る事が出来れば、かなり嬉しいかもしれません。