ポール・バーホーベンは、オランダ・アムステルダム出身の映画監督。

ライデン大学で数学と物理学を学び、後にオランダ海軍に従軍しドキュメンタリーを制作するようになり、その後テレビ界入りし監督を務める事になる。

1977年公開の『女王陛下の戦士』はゴールデングローブ賞にノミネートされ、世界的な人気と評価を得た。

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ポール・バーホーベンのキャリアと作風

母国オランダでヒット作を連発し、世界的な評価を得てハリウッドに進出。

「ロボコップ」
「トータル・リコール」
「スターシップ・トゥルーパーズ」
などの傑作、名作を次々と監督した。

これらのヒット作からアクション系映画の印象が強いが、「氷の微笑」のようなサスペンス映画も撮っている。

一方で、そのあまりに露骨で悪趣味とも言えるエロ描写・バイオレンス描写・ブラックユーモアは批判の対象にされる事も多く、1995年製作の「ショーガール」では全米中から凄まじいバッシングを受け、その年のラジー賞を総ナメにしてしまった。

ちなみに監督はラジー賞史上、初めて実際に会場に来て直接トロフィーを受け取り、さらには笑顔でスピーチまでしている。

あまりに露骨なエロ描写とバイオレンス描写が持ち味の監督であるが、それらを多額の予算を使いながら高いクオリティで描き、さらにヒットさせるというからスゴイ!

その後、ハリウッドからオランダに戻り、2006年には25億円をかけたオランダ映画界始まって以来の大作となった「ブラックブック」を公開!

超大作ながら、VFXを一切使わずに撮影された作品となった。

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私的にランキング!「ポール・バーホーベン」のオススメ作品

【第3位】SFアクション!「スターシップ・トゥルーパーズ」

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出典:http://eiga.com/

 

製作裏話

未来の宇宙で繰り広げられる人類と巨大昆虫型異生物バグズとの戦争を、社会風刺を込めて描いたSF大作。

この映画で、バーホーベン監督が本当に撮りたかったのはあくまでも
「人と虫の戦い」

当時の最先端技術を駆使した上陸作戦の演出は、今見ても遜色ない出来栄えで素晴らしい!

当初、巨大昆虫との戦いはストップモーション・アニメーションで製作予定だったがジュラシックパークなどCGによる製作が台頭した為、改めてCGをフルに使ったSFアクション映画として製作する事になった。

劇中、兵士の男女混合の全裸シャワーシーンの撮影では、俳優たちが裸になる事に戸惑い撮影が進行しなかった為、バーホーベン監督が素っ裸になり
「裸がなんだ~」
と先導して撮影開始となった。

巨大昆虫バグの独特の鳴き声は、エレキギターを音源にしている。

【第2位】エロティックサスペンス!「氷の微笑」

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製作裏話

アイスピック殺人事件の捜査線上に浮び上がった女性作家。
事件を捜査する刑事は、次第に容疑者の妖しい魅力のとりこになっていく・・

映画史上に残る「シャロン・ストーンの足組み直しシーン」が有名になった。

おそらく世界中の男が一時停止したであろう、映画史に残る釘付けワンシーン!

体当たりの演技を見せたシャロンをスターダムに押し上げた作品でもあるが本人は、このシーンを初めて見た時に激怒している!

撮影時に監督が
『君の下着の白い色が見えてしまうので、脱いでもらわなきゃいけない』
と言われ一旦断ると
『いや、見える事は無いから』
と言うので、下着を脱いで彼に渡した・・

撮影後
『じゃあ、モニターを見よう』
と監督が言い、モニターを見た時には本当に何も見えなかった・・

その後、映画館でシャロンが大勢の人に囲まれて、あのシーンを見た時にはショックを受け激怒したと言っています。

【第1位】SFロボットヒーロー「ロボコップ」

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出典:http://d.hatena.ne.jp/

 

製作裏話

この映画のロボコップデザインは、特殊メイク・アーティストに依頼されたがデザインをめぐって双方とも壮絶な言い争いが展開され、険悪その物の状態で製作。

結局、ロボコップのスーツは予定より2週間も遅れて完成したが、撮影に取り掛かろうとするもののスーツの装着でまた大変な苦労を強いられる。

早朝4時から主役のピーター・ウェラーが“着付け”を開始するが、夕方の4時になってもまだ終わらない!

ようやく着付けが完了してもスーツの重量は約12Kgもあるため、重くて一歩も動けない!

おまけに撮影が夏場だった事もあり、スーツ内部の温度は65度にも達し、激しいアクションシーンでは窒息寸前に陥る始末!

演じる俳優は毎日2Kgの水分が汗となって消えていったそう・・

苦労の連続の末に完成した『ロボコップ』は、世界中の観客のド肝を抜きまくって予想外の大ヒットとなる!

気を付けろ!「ポール・バーホーベン」のオススメでない作品

トップダンサーを目指す!「ショーガール」

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スターダンサーを夢みる女は憧れと自信だけを胸に、ショービジネスの都ラスベガスへとやってくる・・
しかし待っていたのは虚飾と、ドロドロの人間模様。

この映画、のっけから殴る・吐く・脱ぐ・絡むのetc満載。

ロマンもへったくれもないエッチシーンや、画面いっぱいに繰り広げられるブルブルダンスにはウンザリさせられる・・

何より深みも練りもない少女漫画のような筋書きゆえに、評論家および観客からコテンパンに酷評され、その年のラジー賞に選ばれる始末となった作品。

でも、音楽は良かった!

最後に

順調に“下品で不快な映画”を撮り続けたバーホーベンに、ひとこと言いたい!

最高だぜ、バーホーベン!