ハリウッド俳優といえば美男美女を思い浮かべる方が多いでしょう、自分もそうですが、それだけでは無いというのがやはり質の広さ。
日本でいえば、大杉連さんや佐野史郎さんのように悪役に特化した怪優が、やっぱりいるのです。
今回は、そんな怪優の中でも最近有名な、ある人をご紹介しようと思います。
俳優の紹介
1955年生まれの61歳の彼、そうは見えないほど若い顔をしております。
あんまり若い頃と変わっていません。
せいぜい言えば髪の毛が生えなくなったという程度の差でしょうか(笑)。
アラバマ州8人兄弟の一人として生まれた彼、両親の離婚を機に母親と共にシカゴに移り住み、そこで演技学校に通います。
やがて俳優として活躍するべく芽が出ていきました。
やはり、その最大の個性はアクの強いコワモテの顔でしょう。
映画に出てくる時はたいてい悪役か怪人役ですが、ごく稀にヒューマンな役柄を演じる事があります。
おまけに私生活では愛犬家で、かなりの親日家としても知られています。
どうやら日本の刀剣に興味があり、大量に購入されているとか。
2017年12月に行われた「東京コミコン」で来日した際には、映画評論家のすぴ豊氏にいきなりヘッドロックをしたり、通訳さんを煽ったり、相撲取りと一緒にいきなりチャンコ食ったり・・・やりたい放題の極みですね。(笑い)
このように、ただの怖いオジサンでは無く、ファンサービスが上手く、愛嬌のある男性ではあります。
代表作
これという代表作をあげるとすれば、近年のMARVEL映画でも際立った傑作である「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」が筆頭にあがるでしょう。
彼はここで主人公スターロードの養父である宇宙海賊のリーダーであるヨンドゥを演じます。
たびたびスターロードにみかじめ料を納めろとゴネる、ワガママなオッサンですが愛嬌があり、戦いの時には頼りになる少年漫画のようなキャラを熱演していました。
もちろん怖い顔をしているので悪役にも定評があり「ミシシッピー・バーニング」では、黒人差別主義者組織の狂暴無比な構成員を演じ、全米を震えさせました。
さらに、もっと言えば彼のデビュー作となった「ヘンリー」は実在した連続殺人鬼ヘンリー・ルーカスをモデルにしたホラー映画であり、その余りの残酷さから制作会社が数年ほど封印したという伝説があります。
シュワちゃんが主演したSF映画の「シックスデイ」では、シュワちゃんをじわじわと追い立てる冷酷な刺客をカッコ良く演じ、シュワちゃんと並んでも毛押しされない説得力がありました。
ドラマでも活躍の経験があり「ウォーキングデッド」の差別主義者のメルルが有名です。
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1位:ヘンリー/ある連続殺人鬼の記録
アメリカで実在したと言われる連続殺人鬼の「ヘンリー・リー・ルーカス」の半生を追った脅威のホラー映画です。
製作者側は「13日の金曜日」や「エルム街の悪夢」のような、ホラーヒーローを求めていましたが、完成したのはそれらをゆうに超える最悪最狂のホラー映画です。
例えば、どんな映画に出て来る殺人鬼やサイコパスも、楽しんで悪事を行います。
「エルム街の悪夢」のフレディは怖がられないと死んでしまうという性格ですが、楽しんで殺しを行っています。
ジョーカーにしてもそうです。
あるいは支配欲や自身の野望だったりします。
現実の世界でも北九州で一家を監禁し、脅迫洗脳し、殺し合わせた松永太の目的は
「楽してお金を得る」
「通電を通じて他人が苦しむのを見て楽しむ」
でしたが、このヘンリーはまったくそういうのが分かりません。
というかヘンリーが殺した人間の数は具体的に分からず、その多くは証拠が不十分で、ヘンリーの供述も曖昧なために、真相は分かっていないのです。
「殺人は息をするのと同じだった。」
と語るヘンリーの殺人鬼としての面が映画を通して分かります。
この映画に出てくる彼は金でも快楽でも無く、まるでしょうもない仕事をこなすかのように人を殺していきます。
この映画はあまりにも危険で、恐ろしすぎる為に制作されてから、あまり公開が出来ませんでした。
イギリスに至っては数年前まで公開禁止になってました。
恐ろしく後味が悪い恐怖の映画なので、観る際には、かなり体調を整えてからでないと、かなり難しいです。
恐ろしく淡々としたトーンでヘンリーと相棒と、その妹による奇妙な同棲生活をベースに描かれます。
殺人シーンも恐ろしく、人の命は簡単にあっけなく、無くなるのかと逆に驚きます。
彼にとって人間は何でも無く、殺す事に何も感じなかった。
そんな狂った連続殺人鬼が現実の世界にいるのです。
この世界に結局正義は無く、法律も所詮は文章のみで効力がない。
この世界はジャングルで人間は獣でしかないのです。
さらに補足すると、このヘンリーは結局死刑にはならず64歳まで長生きをして、心臓発作でこの世を去りました。
なんとも胸糞の悪くなる話です。
2位:スリザー
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」をのちに作るジェームズ・ガン氏の初監督作となった映画です。
宇宙から来た謎のナメクジのようなエイリアンに田舎町が侵略されていくという映画なのですが、トーンは基本的にコメディであり、気楽に見る事が出来ます。
田舎町の権力者であるグラントは妻と喧嘩をして、飲んだくれていたら宇宙からやってきた隕石に触れてしまい、そこから宇宙生物に寄生されていきます。
徐々に怪物になっていき、精神はもはや宇宙人に支配されていきます。
しかしそんな中、宇宙人は彼の精神を通して妻を愛していきますが、生前から平気で浮気をするグラントに愛想を尽かしていた妻は、容赦無く夫に戦いを挑みます。
ノリは古典的なアメリカB級映画で、出てくる人間も、あまり感情移入が出来ない様な人間ばかりなので、安心して怖くて笑えるホラーコメディとなっています。
ここで彼が演じるのは権力者グラントですが、生前のしょうもない感じから、宇宙人に寄生されて怪獣のようになっていく姿まで巧みに演じており、感動すらします。
しかし、ヌルヌルでグチョグチョのナメクジのようなエイリアン寄生体や、最終形態のグラントの肉塊の中に触手が浮いてる姿は、見る人によっては生理的嫌悪を抱くかもしれないのでデートの際には、お勧め出来ない映画かもしれません(笑)。
あと、吹き替えが大物声優の大塚芳忠さんで、どこか軽い感じがあり、怪物に変化していく彼に同情が出来なくなるのが、何とも言えない楽しさがあります。
なので吹き替えで鑑賞されると、面白味が増すかもしれません。
3位:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー :リミックス
大ヒットしたアメリカンコミック「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の続編です。
ここで彼が演じるのは前作に続き、宇宙海賊ヨンドゥ役です。
スターロードの父を自称するエゴーと再会したスターロード。
しかし、エゴーの真の目的は恐ろしい野望だったのです。(ネタバレになりますが、彼の正体は本当に意外です)
血の繋がりは無い息子を救う為に、ヨンドゥは宇宙船をひっさげながらエゴーに急襲し、スターロード率いるガーディアンズと共に戦いに参加します。
この映画でシルベスター・スタローンと共演をしていますが、実は過去に『クリフハンガー』にて共演しています。
その映画の中で救助員だったシルベスター・スタローンによって妻が失われたため(それも事故で、その事が原因でスタローンの心に傷ができますが)彼を非難する同僚として出て来ます。
最終的に和解をしますが、それに至るまでの演技の仕方が非常に腹立たしく、見ていてムカつくものがありました。
話題が逸れたので本筋に戻しましょう。
スタローン演じるのは宇宙海賊軍団のリーダーであり、ヨンドゥの育ての親だったスタカー。
しかし、スタカーから
「お前は人身売買に手を出した破門者だ、出て行け」
とあしらわれてしまいます。
おまけに部下から謀反を起こされ、もうちょっとで殺されそうになったりします。
そういった事を経験し、彼はスターロードの元へと向かうのでした。
父と子の愛憎ドラマとも言うべき本作で、ヨンドゥはどういう決断をするのか。
この映画は、ほとんどヨンドゥが主役で、彼と関係のあるスターロード以外の面子は、目立っていないというのが難点ですが・・・
彼の選んだ選択は涙なしでは語れません。
ぜひ見て下さい。
マイケル・ルーカーでもこれは観るな!ワースト作品
ウォーキングデッド
彼のテレビドラマにおける代表作です。
ゾンビに支配された地球が舞台の連続ホラードラマシリーズで、全米でかなり人気がありました。
このドラマで彼が演じるのは、片腕が義手のチンピラであるメルル役です。
とんでもない人種差別主義者で、出てきた当初はかなり恐ろしい悪役として出て来ますが、再登場した際には彼より恐ろしいガヴァナーの下僕になっており、グレードダウンしていました。
主人公一味の側にいた弟を守るため、ガヴァナーに殺されてしまうという悲惨な末路をたどるメルルですが、確かに彼が演じたキャラの中でもメルルは面白い存在です。
それを置いても、このウォーキングデッドは無駄に長く続き過ぎだと言えます。
逆をいえばマイケル・ルーカーという俳優に罪は無く、見ていてウンザリする話を長ったらしく、ダラダラと7年以上もやっている製作者側に非があるともいえます。
もうそろそろ、飽きられているシリーズと言って良いでしょう。
というか洋ドラマは全般的に無駄に長くしすぎですね・・・
いい加減こういうシステムを見直した方が良いのでは。
まとめ
マイケル・ルーカー氏は僕の大好きな俳優の一人であり、かなり気に入っております。
今後も、彼の出て来る映画やドラマは、何があっても追いかける所存です!
ですが、実は何も期待していません。(笑)
このまま頑張ってくれれば、もうそれで大丈夫です。
マイケル・ルーカーを私は生涯応援いたします!
がんばれ! ルーカー!