巴里のアメリカ人 (字幕版)

巴里のアメリカ人』は、1951年公開のミュージカル映画。

第24回アカデミー賞で8部門にノミネートされ、作品賞をはじめ最多6部門を受賞したミュージカル映画史上に燦然と輝く名作です。

パリを舞台に、アメリカ人の画家とフランス人の女性の恋を描き『雨に唄えば』と共に、ジーン・ケリーが主演するミュージカル映画の傑作とされ、その後アメリカ国立フィルム登録簿に保存されています。

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この作品の見どころ

芸術の都「パリ」への憧憬と、ロマンチックな男女の恋物語・・

パリで画家をしているアメリカ人のジェリーは日々の生活に困る程、経済的に困窮しているのだが、仲間や街の人たちと楽しく過ごしていた。

ある日、ジェリーが街角で自分の絵を売っていると、富豪の女性ミロに気に入られ、ミロからスポンサーになるとの申し出を受けた。

ミロはジェリーの絵だけではなくジェリー自身に興味を持っていたのだが、ジェリーはミロと訪れた酒場で若くて可愛らしい女性リズを見かけ心を奪われてしまう・・二人の恋の行方は・・。

ズバリ本作の見どころは、楽しく歌い踊る躍動的なミュージカルシーンです!

劇中のジーン・ケリーは、実に楽しそうに歌い踊ります!

健康的な肉体が表現するダイナミックなパフォーマンスは、コミカルかつパワフルな躍動感に溢れ、観る者に元気と喜びを伝達してくれます。

一般的にミュージカル映画を敬遠する人もいますが、その最たる理由は日常のストーリーから転じて、いきなり歌い出したり、踊り出す不自然さがあると言えます。

だが、その懸念は本作では多少なりとも解消され、ミュージカル映画に対する変な違和感を超える程の作品で、クライマックスの15分以上に渡るダンスシーンは独自の創造世界を見せつけてくれます。

舞台セットもライティングも音楽も豪華!まさしく全盛期のMGM映画。

芸術の都パリへの憧れ、芸術の讃歌に溢れた究極のエンターテイメント作品!
それが「巴里のアメリカ人」なのです。

雨に歌えば』でも有名なジーン・ケリーが本作品の主人公ジェリーを演じています。


出典:https://blog.goo.ne.jp/

ジーン・ケリーは幼い頃からダンスに親しみ、類い稀なるダンサーとしての実力を備えていたが、ブロードウェイデビューの時は一介のコーラスボーイでした。

その後はブロードウェイダンサーを務めながら実力を発揮し、アメリカの巨大マスメディア企業であるメトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)に入り、監督・脚本・振付まで行う様になりました。

映画でのケリーは、一切のスタントを拒否し緻密な計算に裏打ちされたアクロバティックなダンスを披露しました。

しかも、そんな彼が総監督で行ったのが『雨に唄えば』と『巴里のアメリカ人』ですから、本当に凄い人物です。

リズを演じているのは、アメリカで活躍したダンサーであり女優のレスリー・キャロン。

まるで漫画の世界から飛び出してきたような、お人形のような女性です。


出典:https://ja.wikipedia.org/

レスリー・キャロンは、フランス人とアメリカ人のハーフで幼い頃からバレエに親しんでいました。

バレリーナとして巡業中にジーン・ケリーに見初められ、本作品に出演することになりました。

美人バレエダンサーであったが故に、ジーン・ケリーに見出され、この作品に出演するチャンスをつかんだという訳です。

レスリー・キャロンは「巴里のアメリカ人」が映画デビュー作となり、この後フランスだけでなくアメリカやイギリスで活躍していくことになります。

ちなみに「劇団四季」では2019年1月~8月にかけて「パリのアメリカ人」の公演を行うための、オーディション受付がありました。

劇団四季のオーディション受付ページでは、出演者は「高度なバレエ技術を要する」と書かれているので、選考上バレエ技術を特に重視している事から、バレエなくして、この作品は語ることは出来ないでしょう。

つまり、オーディションで合格するにはバレエの基礎がしっかりとあり、その上で演技力・想像力を備えた方々が対象だと分かります。

「巴里のアメリカ人」を見た頃は、ミュージカルなのにバレエっぽい映画・・?

そうなんです!
「巴里のアメリカ人」は、全て高度な技術を備えたバレエダンサーが総出演して演じた映画なのです!

それまでのミュージカルの常識をくつがえす「モダン・バレエ」を取り入れた斬新な映画だったのです。

ちなみに・・

ニャンと!! 高度なバレエ技術を備えた「ネコちゃん」 もいるのです!


出典:https://www.pinterest.jp/

製作エピソード

映画のタイトルが示すように、ヨーロッパティストを効かすため、撮影はスタジオに44ものセットを作り、パリの街を再現して行われました。

総監督としてのジーン・ケリー自身もヨーロッパ好みであったため、花の都パリのエスプリを随所に取り入れた演出をしています。

子供たちを相手にしたシーンでは、エキストラの子供たちから自然の反応を引き出すため、調子を合わせる「合いの手」を入れ、ダイナミックなダンスに歓声をあげる子供たちの本物の感動を撮影しました。

ダンスシーンの背景もゴッホをイメージした25種類もの黄色を使ったり、フレンチカンカンの衣装を着て踊るロートレックの世界を演出し、映画公開当時には観客が歓声を上げて盛り上がったようです。

ジーン・ケリーは、本作品でアカデミー主演男優賞にノミネートもされなかったが「名誉賞」を受賞!
これが、ケリーの生涯唯一のオスカーとなりました。

最後に

「巴里のアメリカ人」は、MGMミュージカル三大傑作のひとつといわれています。

この作品のラストシーンだけでも拍手喝采です!

ブラボー!! ワンダフル!!

巴里のアメリカ人
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