地上より永遠に (字幕版)

『地上より永遠に』は、アメリカ陸軍組織の腐敗と兵士個々の愛憎を描いてベストセラーとなった、ジェームズ・ジョーンズの長編小説の映画化作品です。

第26回アカデミー賞では、作品賞の他にも8部門を獲得しました。

この作品は、古典ハリウッドスタイルの映画最盛期の本当の映画らしさ、豪華さを持った映画であり、それは今観ても映画の歴史の一部とも言える作品です。

この作品のみどころ

『1941年の夏、ハワイ・ホノルルの兵営にプルーと呼ばれる青年兵が転隊して来た。
プルーはこの部隊に公正な待遇を期待して来たのだが、現実は彼の考えていた様にはいかなかった……』

1953年製作のモノクロビスタサイズだが、映像が鮮明なので点数がアップ!

ポスターのイメージからして、はじめは2組の美男美女の恋物語を描く映画かと思いきや、あれよあれよと言う間に甘い雰囲気が暗転していくのです。

この映画の最大の見どころといえば、PR用ポスターが示す通りバート・ランカスター演じるウォーデン曹長とデボラ・カー演じるカレンとの「波打ち際キス」でしょう!

ハワイの荒々しい波の中ビーチで、「キス」する姿はセクシーです!

このキスシーンは、英Total Film誌が「映画史に残る最高のキスシーン50」を発表した時には「見事第1位」を獲得したのです。

ちなみに・・こんな「キスシーン」もあります!

出典:http://marandr.com/

後年歌手として有名になったフランク・シナトラが出演しているが、実に貧相な印象?
そして無残にも、リンチが元で死亡する役なのです・・

この映画を見て驚いたのは、設定が1941年のハワイ島スコフィールド米軍基地。

なんと!日本軍が真珠湾に奇襲攻撃した様子がまざまざと写っているのです。


出典:http://blog.livedoor.jp/

この映画は、真珠湾攻撃直前のハワイの兵営を舞台に、軍隊機構の持つ非人間性を暴露した内容です。

当時のアメリカは赤狩りの真っ最中であり、この映画の製作には様々な政治的圧力や検閲があったといわれています。

しかし、この作品を監督した「フレッド・ジンネマン」は社会派リアリズムの巨匠ともいわれ、この監督の勇気と執念がこの映画を撮らせたともいえます。

信念を押し通した映画監督!「フレッド・ジンネマン」


出典:https://ja.wikipedia.org/

フレッド・ジンネマンは、信念を貫く人物を描く作品で本領を発揮し、自身もハリウッドの中で信念を押し通した映画監督として知られています。

本作と、1966年の「わが命つきるとも」でアカデミー監督賞を受賞しています。

わが命つきるとも (字幕版)

この映画には、錚々たる俳優が出演しているのも見どころです。

バート・ランカスター

統率力があり逞しく、また凛々しい士官役を見事に演じ圧倒的な存在感を見せています。

この作品でアカデミー主演男優賞に初ノミネートされ、浜辺でのデボラ・カーとの情熱的なラブ・シーンは映画史に残る名場面となりました。

またゲイリー・クーパーを招いたアクション西部劇『ベラクルス』(1954年)ではニヒルな悪役を演じて、主演の「クーパー」を喰ってしまうほどの存在感を示しました。

ヴェラクルス [DVD]

デボラ・カー

イギリスの女優で上品なエレガントさで知られ、ニックネームは「英国の薔薇」とも称されていました。

撮影当時は31歳とは思えない程の大人の女性の魅力があり、魅惑的な女優でした。

アカデミー賞主演女優賞には計6度もノミネートされたが受賞出来ず、アカデミー賞「名誉賞」を受賞しました。

モンゴメリー・クリフト

10代の頃からブロードウェイで演技を磨き、早くからメソッド演技を実践する演技派俳優です。

確かな演技力と端正なマスクで二枚目俳優として人気を博し1948年、ハワード・ホークス監督の『赤い河』で銀幕デビューを果たしました。

この作品では、軍隊という巨大な組織に対して抵抗しながらも押し潰されていく様子を独特の翳りを含んだ表情で演じています。

赤い河 [Blu-ray]

フランク・シナトラ

アメリカの代表的なジャズ・ポピュラー歌手として活動し、数々のミリオンセラーを連発。
多くのミュージシャンにも影響を与えました。

さらに1940年代以降は映画俳優としても活躍し、本作の出演でひょうきんで飲んだくれ、そして哀れな死を迎える役を演じアカデミー賞助演男優賞を受賞しました。

軍人は上からの命令が絶対的!

本作品には、軍隊内部の陰湿な「虐待」「イジメ」「暴力」などが存在している事を描いています。

下士官は上官に対して反抗的という理由だけで「イジメ」を受けるのです!

軍隊では極端な場合、全体を守るために一人に死ねと命じる必要があるのが軍隊です。

そんな組織では兵士が上官に逆らったり、反抗的態度をとることは断じて許されないことが理解できます。

「陸軍残虐物語」

ちなみに日本映画でも、「陸軍残虐物語」(主演:三国連太郎)という映画があり軍隊という組織の中で人が、狂気に蝕まれていく悲劇を描いた問題作です。

陸軍残虐物語【DVD】

最後に

この作品の日本語のタイトルは「地上より永遠に」(ちじょうよりえいえんに)・・

なんて!意味不明なタイトルと思っていましたが・・

ある日、知りました・・正しくは「ここよりとわに」・・であると!