波止場 [Blu-ray]

『波止場』は、1954年制作のアメリカ映画でニューヨークの港を舞台に、マフィアのボスに立ち向かう、ある港湾労働者の姿を描きます。

1954年のアカデミー賞で作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞・助演女優賞など8部門を受賞しました。

この作品のみどころ

『地元のマフィアが仕切る波止場は、労働の供給も労働者たちの憩いの場である酒場や賭け事の提供も、マフィアの思いのままという無法地帯であった。

マフィアのルールに逆らうものは、命さえ落としかねない状況でした・・

そんな中に、マーロン・ブランド演じる若者テリーが登場し、彼の不屈の精神が労働者達と共にマフィアに立ち向かっていくのです!』

この映画は、ピュリッツァー賞を受賞したマルカム・ジョンソンの有名な暴露記事「波止場の犯罪」を資料にして、小説家バッド・シュルバーグが脚本を練り上げました。

監督は「エデンの東」のエリア・カザン。

出演は「ゴッドファーザー」のマーロン・ブランドと「北北西に進路を取れ」のエヴァ・マリー・セイントに、個性派の役者たちが脇を固めています。

エデンの東 (字幕版) ゴッド・ファーザー (字幕版) 北北西に進路を取れ(字幕版)

古いモノクロ映画だが脚本のテンポもよく、映像にも十分迫力があります!

当時30歳とは思えない「マーロン・ブランド」の色気と威厳と貫禄は既にゴッドファーザーでのカリスマ性を漂わせています。


出典:http://www.geocities.jp/

若い頃のマーロン・ブランドが、二枚目なのにビックリ!
この時の、好青年があのゴッドファーザーの「ドン顔」になっていくのですネ。

マーロン・ブランドは、反抗的な青春時代を過ごすが役者を目指すようになりニューヨークで演技を学び、1944年ころからブロードウェイの舞台に立つようになりました。

アクターズ・スタジオ仕込みのリアリティあふれるメソッド演技と、口ごもった様にしゃべる独特の演技スタイルで一世を風靡し、戦後を代表する伝説的な名優として、他の俳優たちの目標ともなりました。

反面、撮影中には必ずトラブルを起こし、台詞をすぐに忘れたり女グセが悪かったのでハリウッドでも札付きのトラブルメーカーとしても知られました。

また、脇を固めた「個性派の役者たち」が、今なお衰えることのない迫真の演技を見せています。

脇を固めた俳優たち
★リー・J・コップ
★ロッド・スタイガー
★エヴァ・マリー・セント

 

本作品の監督「エリア・カザン」


出典:http://www.geocities.jp/

カザンは、風変わりな名前の通りイスタンブール生まれのギリシャ系米国人です。

ニューヨークに居を構え演出家を志しエール大学で演劇を学び、1930年代にニューヨークのグループシアターで頭角を現しました。

1947年に「欲望という名の電車」、1948年の「セールスマンの死」で演出家としての名声を確立しアクターズ・スタジオも創立しました。

そしてアクターズ・スタジオの卒業生であるマーロン・ブランドを俳優に起用し、本作品の「波止場」で8つのオスカーを獲得したのです。

1955年にジェームズ・ディーンを起用した「エデンの東」は不朽の名作と謳われ、その他にも数々の名作を送り出していきます。

カザンは生涯に22のオスカーを獲得し、うち2つは監督賞を受賞しています。

欲望という名の電車(字幕版) セールスマンの死 [DVD]

 

製作エピソード

マーロン・ブランドは本作で名実ともにトップスターとなり、翌年もエリア・カザン監督の次の大作予定であった「エデンの東」の主役をオファーされましたが断ってしまいました。

マーロン・ブランドに替わって出演したジェームズ・ディーンは「エデンの東」で一躍スターとなり、エリア・カザン監督によるスター誕生が続いたのは不思議な巡り合わせといえます。

この映画の名シーンと言われたロッド・スタイガーとブランドとのタクシーの中での会話シーンは、兄弟として微妙な立場にある二人の関係を見事に演じたと絶賛されました。

しかし、このシーンでの演技は監督のエリア・カザンが二人の即興に任せ、一切演技の指示はしなかったとされています。

アクターズ・スタジオ出身ならではの、即興の演技を重視するシステムを採用していたからこそ、即興による名演技も生まれたのでした。

俳優の名演技もさることながら、この作品の魅力は原作者自身が実際に現場に泊まり込んで取材にあたり、事実に基づいて書かれたシナリオにあります。

実際、当時の波止場にはマフィアや暴力団が資金源としていた話がゴロゴロあった様です。

タイトルに“波止場”の文字の入った作品「赤い波止場」

ちなみに、タイトルに波止場の文字が入った作品を探すと、この映画もあります。

日活100周年邦画クラシック GREAT20 赤い波止場 HDリマスター版 [DVD]

神戸を舞台に、故・石原裕次郎がピストルの名手に扮して活躍するアクションドラマです。

DVDパッケージも真っ赤なデザインで目立ちます!

最後に

「波止場」の劇中で、ブランドは「I could have been a contender」・・と言う
オレだって本当は挑戦者になれた!今はこんな波止場で労働者をやっているけれど、オレだって続けていればチャンピオンに挑戦できた』・・と。

人は誰しも、自分の夢・目標を持っていても何らかの理由で断念したり挫折したりする事もあります・・

ブランド演じるテリーは、ギャングの一員である兄からの指示で八百長試合で負けてしまったのです!
何もなく続けていればタイトル戦にも挑戦出来たのに・・

ある年代以上のアメリカ人が聞いたら、誰でも知っている有名なセリフらしい・・
ブランドが言うからこそ、なんとも言えず寂しい響きがする名セリフですネ。