俳優の中には生涯現役を貫く大ベテランがおります。

今日紹介する「マイケル・ケイン」さんは、なんと1950年代から活躍し今にまで至る。
いわばイギリス俳優界の仙人ともいえる男です。

時代を超えて多くの人々に愛され尊敬された彼は、まさしくサーの名称にふさわしい。
とすら言えるかもしれません。

俳優の紹介

1933年生まれの84歳であり南ロンドンで生まれた彼は第二次大戦に巻き込まれる形となりノーフォーク地方へ疎開します。
戦後、兵役でタイや韓国などに向かい、兵役が終わると同時に俳優を志すようになります。

その後、長い下積み生活を終えて1965年に当時流行していた「ジェームズ・ボンド」に対抗するかのようなダボダボの眼鏡をかけた、お世辞にも頼りになるとは言えないスーパースパイのハリー・パーマーを演じます。

ここでスターダムに乗った彼は以降、様々な映画に出演します。

善人のイメージが強い彼ですがスティーヴン・セガール主演の「沈黙の要塞」では残酷な悪のボスを演じたり、有名な芸術家のサドの最期を描いた「クイルズ」ではサドをイジメぬく恐怖の精神病院院長を演じています。

さらにはスタローンとミッキー・ロークの二大キャストで共演で有名な「追撃者」では、すべての黒幕となる男を演じます。

このように善も悪も演じる名バイブレーヤーとして有名です。

しかし、ほかの俳優同様、彼にも個性的なエピソードがあります。

2016年のイギリスEU離脱騒動の時、彼はイギリスのEU離脱を支持していたのです。

多くの若手俳優がEU残留を求めている中、なぜ彼がEU離脱を支持したのか分かる事はありません。

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代表作

直近で有名な代表作を上げるとすれば「バットマン・ビギンズ」や「ダークナイト」のダークナイト三部作でしょう。

確かに僕自身はあまり、この映画を好きではありませんが彼の演じるアルフレッドは、やや愛嬌があり彼とブルースの掛け合いがシリアスな映画においてのいい休息シーンとなります。

彼とブルースの関係は孫の出し物や卒業制作を見て「うんうん良かったね」と言っている、おじいちゃんと孫に似ており、彼らの関係を見ているだけで微笑ましくなります。

ほかにはアカデミー賞を受賞した「サイダーハウスルール」があげられるでしょう。

ここで彼は温厚でやさしい医者を演じ、働いてた孤児院の若者に医者としての技術を教えようとする場面があります。

このように近年では、すっかり若造を見守る気のいいおじいちゃんとして定着していますが、ベストやワーストではどんな役があるのでしょうか?

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マイケル・ケインならこれを観ろ!おすすめ映画ベスト3!

1位:狼たちの処刑台

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退役軍人の男は若いころはIRAと戦い、今では年金をもらいながら公共団地で細々と生きていました。

しかし、今団地は不良青少年によるストリートギャングや彼らを兵士として利用する麻薬の売人が蔓延していました。

やがて妻の死に目にもあえず、おまけに友人が殺された彼はついに怒り狂い街の狼どもを処刑していきます。

この映画ほんとうにすごいのが、かつてはおしゃれな街として知られたイギリスには、もはやその影はなくあちこちで不良青年によるギャング集団が暴力を起こし、さらに彼らのケツ持ちに、とんでもない麻薬カルテルが絡んでいるという現実の問題が描かれています。

イギリスは重工業と共に活性化していた国ですが、その後イギリスは金融を主たるビジネスに置き、重工業などの「ものつくり」は脇に置かれてしまうことがありました。

こうして不況が続き、麻薬カルテルやギャングが蔓延する現状があります。

ある意味では、この映画を見たらなぜマイケル・ケインがEU離脱を支持したのかが分かると思います。

移民が増えれば当然犯罪が増える、EUを離脱すれば移民のコントロールがつきやすい、彼はこれ以上愛する国を汚される事を良しとは、していないのでしょう。

話がそれましたが、この映画のマイケル・ケインは本当にかっこよく、老人なので途中で息切れをしますが軍隊時代に培った知恵と策略で敵を追い詰め、ひどい場合は拷問を行うというダークヒーローっぷりが板にはまってます。

そんな彼が迎える、とんでもないラストとは・・・。

悪とは身近なものにいる。そんなことも訴えている映画でもあったりします。

2位:アルフィー

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1966年という、だいぶ昔の映画です、なんと50年前の映画です。
この時代からもマイケル・ケインは活躍していたんですね。

この映画では彼はアルフィーと呼ばれるプレイボーイを演じます。

「結婚はしない」をモットーに女性をとっかえひっかえ付き合うアルフィー。
相手が友人の彼女でも容赦せずにアプローチをするアルフィー。

こう書くと最低で本当にダメな男ですね。
しかしそんな生活が、いつまでも続くわけがありません。

物事は始まりがあれば終わりがある。
次第に遊び歩いていたアルフィーに天罰が下るかのように恐ろしい事が待ってます。

なんと彼は女性たちから捨てられ始めるのです。彼女らにとってイケメンだけど安定感のないアルフィーは、ただの遊び相手でしかなかった。

そして彼は気づかなかったが、もう彼自身が若くはないということです。

あらゆる女性に捨てられ捨て犬のように街を歩くアルフィー、そこに小さな犬がやってくる。
結局居場所がなくなっても新しい居場所ができる。
そこで人は生きていくしかない。
この世は天国でも地獄でもない。
人生は終わりと始まりの連続であるというようなそんな映画です。

実は、こういう人が僕の周囲にはかなりいます。
バンドマンをやっている人なんですが、いろんな女性と付き合いがあり、その中の一人が銀行員や女性教師だったりしてました。

そんな女性は、まともだったらいつかは彼を捨てる。
そんな事分かってるはずだと思いますがプレイボーイを気取って、すぐに別れを切り出したりしていました。

もう何年も会ってませんが、まだ同じ事をしてるんでしょう。

さて、この映画はジュード・ロウでリメイク版がおきましたが、もうこれは忘れてください(笑)。

3位:トゥモローワールド

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そう遠くない未来、人類は絶滅寸前でした。

それはなぜかというと世界中の人間で子供が生まれなくなり各地で紛争やテロが起きており、完全にゆるやかな死の真っ最中でした。

イギリス政府はこれをなんとか武力で押さえつけていましたが、それもあまり効果はありません。

おまけに最悪なことに世界最年少の少年が刺殺されてしまい、世の中は一気に絶望のどん底に走っていきます。

そんな中、役人のセオは別れた女房で反政府組織のリーダーのジュリアンに頼まれて、ある物を「通行証」を手に入れて、そして運搬も手伝ってほしいといわれます。

その物の正体は子供を宿した少女でした。
しかし、途中でジュリアンは殺され死亡。

なんとジュリアンの所属していた反体制組織は少女の子供を使い、政治の実権を握ろうとしていたのです。

セオは警察・反体制組織の双方から追われることになります。

この映画は、かなりハードな映画です。
先進国を騒がしている少子高齢化という現実。
あの中国でさえ、この少子高齢化の波に飲まれてしまっているのに日本はどうなるのでしょうか。

これが進んで行くと、こうなってしまうのかもしれないなあ、という嫌な未来を描いてます。

さらに近未来映画でありがちな高いビルが建っている摩天楼ではなく、さび付きボロボロになった街並みというのも、なんとも嫌な物であふれてます。

この映画でマイケル・ケインはマッドサイエンティストとも言えるような風変りの科学者として出てきます。

彼の存在は作中にカンフル剤ともいえる存在として出てきますが、そんな彼も少女らを守るために散っていきます・・・。

少女の運命はどうなるのか?
単純なSFではなく今そこにある危機として、この映画を見直すのも悪くはないでしょう。

マイケル・ケインでもこれは観るな!ワースト作品

ダークナイトライジング

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以前、クリスチャン・ベールの時でも触れましたが今回もまた触れてしまいます。
みなさん、おゆるしください(笑)。

映画の内容は10年以上姿を隠していたバットマンが街の脅威相手に再び立ち上がるとか、そういう内容です。

この映画ではマイケル・ケインはバットマンの執事であるアルフレッドを演じます。

しかし、執事のアルフレッドがかなり公私問わず忠誠を尽くしているのに対してブルース・ウェインは冷たすぎます。

アルフレッドがバットマンの事を思って、ある物を封印していましたが、それを解きます。

それはなんとジョーカーによって殺されたバットマンの彼女が
「もうあんたとはつきあえないので別れますね」
という別れの手紙でした。

ブルース・ウェインの傷をさらに深めてはいけないという理由で封印していたらしいですが、それはそれで最低なんですが、たった一度の過ちでウェインはアルフレッドを解雇しています。
あんまりにもひどい!

この映画のアルフレッドは終始可哀相でしかない。

おなじみの掛け合いシーンもないので、なんで登場する必要があったのか分からないほど扱いが雑です。

一部マニアはこれを大好きですが、はたしてこれ、そんなに面白いんでしょうか?

まとめ

マイケル・ケイン、とてもすごい人ですね。

60年代から常に最前線で立ち続ける男。
どこまで行っても何を演じても期待以上のことをする男。

しかし、そんな彼も最近は引退を考えているのか死を感じているのか
「もうこれからは老人か死人の役しかできないねえ」
といっております。

そんな事を言うなんてもったいない。
もう一度花を咲かせて欲しいものです。

人生は生きている間に何だって起こるんですから、がんばりましょう。